クイーンズスクエア横浜の内外には、建物の一部のようになっている作品や、ベンチとして座れるもの、遊んで楽しめる作品などが9点置かれています。さて、どこにあるかお分かりになりますか?個性あふれるパブリックアートをご案内いたします。
ジョセフ・コスース<Joseph Kosuth>
(ネオン管、御影石/ステーションコア)
1945年アメリカ生まれ、アメリカ在住。
コンセプチュアルアート(概念芸術)の第一人者として世界的にも著名なアーティストです。今回は、ベートーヴェンの交響曲第9番の詩の作者として有名なフリードリヒ・シラーのテキストを引用して、現代が直面するエコロジカルな問題を、ネオン管と石を用いて巧みに表現しています。
*フリードリッヒ・フォン・シラーよりデンマーク王子アウグステンブルク公にあてた美学的なことに関する書簡第27号より一部を抜粋
立木泉<Tachiki Izumi>
(陶板/クイーンズサークル)
1966年名古屋市生まれ、アメリカ在住。
人と人とのコミュニケーションのあり方をテーマに活動を続けている作家です。深紅の空間に真珠を思わせる球体が浮かんでいるイメージを見ながら、各人が自由に想像力をあそばせてくれること作家は願っています。
田村能里子<Tamura Noriko>
(©平舘平 壁画/横浜みなとみらいホール 1F)
1944年愛知県生まれ。
街の雑踏からコンサートホールに入ったところで自然に音楽を楽しむ気持ちに切り替わってしまう。20人の女性によって奏でる音が、風に乗ってエントランスの空間を流れています。そして今、あなたの心に感じている響きが21人目の音です。「みらい」を感じませんか?
西田明未<Nishida Akemi>
(モザイクチップ/クイーンモール 1F)
1948年生まれ。
公共空間におけるアートワークを中心に活動している作家です。今回の作品は、モザイクチップを使用して、みなとみらいのイメージにふさわしく躍動感あふれる波を表現しています。
マリナ・カレラ<Marina Karella>
(FRP、ブロンズ/クイーンズパーク)
ギリシャ生まれ、フランス在住。
日常的な物(布、靴など)をモチーフとして幻想的な彫刻を作る作家です。美術以外にも舞台美術などでも活躍しています。この作品は、世界中の神話に共通して出てくる翼や布をモチーフとしています。
エステル・アルバルダネ<Esther Albardane>
(鉄に塗装/クイーンズパーク)
1947年スペイン生まれ、スペイン在住。
題材は主として作家の身の回りの日常的な事柄が多く、表現の手法は版画、油絵からテラコッタ、鉄など多岐に渡ります。高い方から順に、子供を連れた父親、肩に子供をのっけた母親、母親にまとわりつく犬、を表しています。
N・スクレコ・マーティン<N・Skreko Martin>
(鉄に塗装/ステーションコア 1F外)
1939年アメリカ生まれ、アメリカ在住。
パイプをモチーフに作家活動を続けています。パイプによって形作られたゲートが施設エントランスへの期待感を演出するとともに、見る人がそれぞれにイメージを描き出してくれることを作家は願っています。
牛島智子<Ushijima Tomoko>
(FRPに塗装/クイーンズパーク)
1958年福岡市生まれ、八女市在住。
四角いフレームではなく、不定形や多角形で作られたフレームに躍動感の感じられる色彩が印象的な抽象作品を主に制作している作家です。この作品は、立体でありながらも作品の構成としては作家独特の曲線や色彩の面白さが十分に感じられます。また、ホテルで結婚式を挙げたカップルが記念写真を撮れるようにと考えられたベンチでもあります。
リカ・ムータル<Lika Mutal>
(上:御影石 下:ブロンズ/クイーンズタワーA 2F外)
1939年オランダ生まれ、ペルー在住。
石彫の作家で、パズルを組み合わせたような形の面白さに特徴があります。今回は、作品のおかれる場所が建物と海の境にあたることから2つの彫刻がそれぞれ人工物と自然を暗示しています。